働く母のすすめ

You are stronger than you think.

荒天が好転して進展

新学期が始まって3週間ほどが経過しようとしている。

 

朝、目が覚めるや否や体調不良を訴える息子を「学校に行っても行かなくても、生活のリズムは整えようね。」と言いながら抱っこでリビングに連れて行った。クロゼットから服を選び出し、脱力する息子に服を着せ、ダイニングテーブルに座らせて朝ごはんを食べさせた。途中で目に涙を溜めてテーブルの下に潜り込んでしまったりもした。何やかんやでご飯を食べ終わっても、最後の抵抗なのか勇気の充電なのか「ぎゅう、しよう。」という息子に、気の済むまでハグをした。そうやって、毎朝不安でいっぱいな顔で私を見上げる息子が立ち上がれた日には、手を繋いで夫と3人で学校に向かった。1限目が終わるまでに登校出来れば上出来で、保健室登校に切り替えてからは毎日学校に行けるようになったものの、その足取りは変わらず重かった。

 

そんな数ヶ月が嘘のように、新学期初日から息子は再び自発的に学校に通い始めた。

 

元々朝が苦手で目覚ましでは起きられないけれど「時間だよ。」と声をかければ、ガバッと起き出していそいそとリビングに歩いてくる。眠い目を擦りながら「今日から半袖にしようかな?」などと言いクロゼットの中を漁っている。「菜飯のおにぎり食べたいな。」というリクエストに応えるために朝ご飯を準備しながら、息子の着替えの進み具合を横目で確認し、時折「早くしなさいよ。」と声をかける。ご飯を食べ、歯を磨いたら「今日は運動会のダンスの練習だ」「習字道具持ってかなきゃ。」などとその日の予定をつぶやいたりしながら、小走りで玄関に向かう。軽くハグすると、登校班の班長は早く集合しろと言う割に、週の半分くらいは1番遅く来てるんだよね、などと不満をもらしながらも、元気よく「いってきます!」と玄関を出て行く。気をつけてねと言う私に軽く頷きながら。

 

息子は、学校を休んでいる間も春休みの間も「新学期になったら、今まで通りに学校に通う。」と言っていたのだけれど、これまでの彼の行動パターンから考えて、最初の何日かは行き渋るのではないかと想像していた。上手くいけば、数日登校に付き添った後、学校に通えるようになるかもしれないけれど、やっぱり難しいかもしれない。色んなパターンを考えたけれど、夫も私もどちらかといえば、再び保健室のお世話になるなどの長期戦を想定していただけに、新学期初日、何事もなかったかのように「いってきまーす」と言う息子を見送った後に、夫婦で思わず「こんなこと、ある…?」と笑った。
その後も、もしかしてまた起き上がれなくなるかもしれない…という我々夫婦の心配をよそに、早3週間。息子は変わらず自発的に登校している。

 

登校出来れば、問題は解決したことになるのだろうか。

 

登校出来ないことは、あくまで息子の中の"問題"が表出した結果であって、問題そのものではない。息子が、ほぼ同じ状況で過ごす40人近いクラスメイトの中で、ただ1人だけ、学校に行けなくなるほど教室に居心地の悪さを感じたという事実と、その背景にあった問題を有耶無耶にしてはいけないと思う。"背景にあった問題"については、新しい担任と面談をし、炭鉱のカナリヤ的な息子の敏感さについてお話しし、息子が学校に行けなくなった原因のひとつ、クラスメイトの孤立について知っていることをお伝えした。担任は(意外にも)きちんと状況を把握しつつケアをしているようで、しばらくは担任にお任せしようと思っている。

 

 

息子自身の話はまた後日。