働く母のすすめ

You are stronger than you think.

近況と環境調整

その後も息子は、以前と変わりなく学校に、教室に通えている。

病院で息子の検査を担当したカウンセラーから、息子のアウトプットにはいわゆる凹凸があると言われてはいるものの、数値的にも感覚的にもその凹凸はあまり大きくはないこともあり、ひとまず学校とのコミニュケーションはしばらく"疎"にしておこうと思っている。決して口にはしないけれど、周りの動きに敏感な息子は、両親が学校に行って先生方とコミニュケーションを取っていたことにも、今もなお自分が児童精神科に通っていることにも思うところがあるようなので、その心理的違和感を最小限にしたいというのが理由のひとつ。また、昔と比べれば、こうした疾患/特性への理解は進んでいるとはいうものの、学校の先生の理解度には個人差があるため、学校側にあまり先入観を与えるのも得策ではないと感じていたりもする。

というわけで、最近は児童精神科への通院のみを継続している。もしかすると通院も必要ないかな...と迷いながら、カウンセラーに現状を伝えたところ「環境調整がとても上手くいったようですね」と言われた(言語化うまい)。この短期間で息子の中の何かが大きく変わったとは考えにくいし、確かにそういうことなのだろうと思った。なるほどもう少し様子を見てみよう(息子は3学期にSOSが出やすい)と思うと同時に、カウンセリングでどこまで出来るのか興味があるので、引き続き、通院を続けることにした。

 

個人メモ:通院頻度はそれほど高くないとはいえ、通院開始から4ヶ月ほどして初めて息子が児童精神科医に対して発話した(自発的にではない。毎回少しずつ誘導していたのがようやく発話に繋がった。ちなみに普段の息子はむちゃくちゃ喋るタイプである)。児童精神科医は機会を逃さず息子と会話に繋げて「ゲームはゲーム自体をすることが好きなの?おともだちとやることが好きなの?」いう結構重要な質問を繰り出し「おともだちとやること」という回答を引き出してくれた。親でない人からの質問への回答という意味でも参考になる。カウンセラーにも、息子は発話してますか?と聞いたけれどはぐらかされたので、ラポール形成はまだまだ先と思われる。

 

 

ついでなので、上手く働いたと思われる環境調整についてまとめておく。

 

1. 学校との調整

SCがとにかくいい先生だった。息子も私たち親も彼女の対応や考えにほっとした。保健室の養護教諭もいい先生だった。以前は体調不良でも保健室に行くことに抵抗があった息子も、何かあったら保健室に行っていいんだと実感出来たと思う。息子自身の利用経験はもちろん、高学年がちらほら保健室に休みに来ていることを知れたのもよかったと思う。自分たち自身の学生時代を振り返ってみても、確かに保健室は敷居が高いと思っていた時期があったので、小学生のうちから学校内に安心出来る場所があると知れたことはいいことだと夫とも話している。

それから息子が学校に行けなくなったのがちょうど3学期だったこともあり、学校に新年度のクラス替えについて配慮を求められたのもよかった。どれくらい配慮されたかは謎だけど、去年のクラスで対立していた子たちはバラバラのクラスになったようだ。旧担任はまた息子の学年の担当になったのだけど、息子の担任にはならなかったのでホッとしている。

 

2. 習い事の調整

心理的にも体力的にもハードルの高い運動系の習い事は一旦休んでいた。復帰後は、過去の色々もあり、先方には色々ご配慮いただいた。息子も以前より安心して通えているように見える。

ピアノの先生は厳しやさしい(どっちやねん)方なのだけど、学校に行けていなかった時期はあまり練習が出来なかったので、早々に事情を打ち明けた。「学校以外に行き場があることもよいかもしれないですね」とご理解いただき、こちらもかなりご配慮いただいた。元々息子はピアノの先生が好きなので(ピアノが好きか否かは謎)、先生のご厚意に甘える形でレッスンは継続した。これを機に、ピアノの練習から親が手を引くことにしたので、進度は著しく遅くなったけれど、学校から帰るとすぐに自主的にピアノを練習するようになったのでよかったと思う。

 

3. 塾に通い始めた

学校に通えないことが続いた場合、内申点システムは不利に働くな…と思ったので、時期的には遅いのだけれど中学受験を視野に入れることにした。無理強いするつもりはなかったけれど、入塾テストに手ごたえを感じたらしく(結果はそれほどだった)、息子自身がかなり乗り気になったため、塾に通うことにした。塾の先生が話してくれる、学ぶ内容の背景にあるストーリーやちょっとしたtipsが楽しいらしく(私が息子に勉強を教える時も9割はこうしたテストには直接関係のない話をしている)、こちらも自主的に宿題をしたりしながら楽しくやっているようだ。

息子の通う小学校(近所の公立校)は、幼い頃から公文や塾に子どもを通わせる教育熱心な方が多く、学校の授業内容は既習である子がたくさんいるという状況になっている。それはそれでどうなんだよ…とは思うものの、息子は塾に通うようになり、他の子たちと同様に先取りして学んでいることに安心感があるようだ。また、仲のよいおともだちは中受組が多いため、自分も受験してみたいという気持ちがあるように見える。本人曰く、学校でもこれまでよりもたくさん手を挙げて発言しているらしく、学校のテストも「全部100点取るわ!」と意気込んでいる(早々に実現不可になったけど)。理解度を他人と比較することは本質的ではないけれど、勉強に対する自信自体は学問の習得にポジティブに働く要素でもあるので、ひとまず今は自信をつけてもらおうと見守っている。こうした自信もまた、前向きに学校に通うチカラとなっていると思う。

息子の通う塾は受験対策はもちろん、勉強のやり方を身につけることにも重きをおいているため、基本、親はノータッチで自主的に勉強させてくださいという方針。親の履かせた下駄の上で背伸びして学問にしがみついても、のちのち苦しいだけなので、あまり勉強偏重にならないようにしたいという私の偏った思想にもマッチしていて、塾に行ってよかったと思っている。

加えて、通信制も選択肢に入れるべく、N中/N高の資料を取り寄せたら、息子はeスポーツの大会で名前を見聞きするN高にも惹かれている様子。進学先はもう少し先に考えるとして、常に間口は広く開けておきたいと思っている。