働く母のすすめ

You are stronger than you think.

自転車に乗って

前回、息子に自転車を買ったのは4-5年前だっただろうか。サドルを目一杯上げても、明らかに小さい自転車に乗っている感が否めなくなってきたことに加え、久しぶりに超絶低空飛行中の夫のリクエストもあり、家族全員分の自転車を新調した。正確にいえば、"新調"したのは息子だけで、夫は10数年ぶり、私に至っては20年ぶりくらいに自分の自転車を保有することになった。

 

自転車が久しぶり過ぎて、インチの感覚もすっかり頭から抜けていて、息子だと22インチくらいかな?いやいや少しでも長く乗れるように24インチとか買ってしまおうか。などと思いながら自転車を選ぼうとしたら、息子には24インチの自転車ですら既にジャストサイズで、店員さんに26インチを勧められたので驚いた。26インチて、それもう大人用ですやんということで、デザインも長く乗れそうな無難なものを買うことに。何やったら、これまで乗ってた如何にも男児っぽい謎のスピードメーターとかが付いた自転車を選びかけてた息子も、店員さんから「男の子も、あと1-2年もすれば、こういうデザインを好むようになりますよ。」と思いの外、大人びたシンプルなデザインを提案されて、赤か青(戦隊モノ由来のカッコいい色)の自転車を買う!と頑なに主張していた意見までもさっくり翻して「オレ、もう子どもっぽい自転車とか選ばないし。」とばかりに黒のシンプルな自転車を選びはじめたので、親としてはしめしめ…と後10年以上も乗れそうな自転車を購入した。私はというと、そもそもそんなに自転車を欲していなかったのだけど、夫が自転車を買ったら息子とサイクリングに行くというので、え、ちょっと1人でお留守番とか嫌すぎる!と、慌てて夫と同じようなクロスバイク(だと思う)を購入した。念願の自転車を購入し、チェーンカバーやらドリンクホルダーやらのオプションを付けて浮かれている夫を横目で見ながら、ダイナモライトはNG!(タイヤが重くなると無灯火にしがち)、後部の反射板はライトが当たらなくても、自発的に点滅するタイプに変更!と着々と安全性重視のカスタマイズを全員分に設定した。なかなかの買い物になったけど、給付金使ってなかったしね、と世帯主の口座よりお支払いいただいた。ごっつぁんです。

 

そんなこんなで、最近は週末によく3人で自転車に乗っている。最初は自転車が久しぶり過ぎたせいか、10-20分くらい乗っただけで、全身がバキバキになってしまったのだけど、最近は少し慣れてきて、なかなか快適になってきた。夫を先頭に、息子、私と縦1列に並んで走っていると、(ちょっと違うけど)カルガモ親子の散歩みたいで思わず笑みが溢れる。後ろから「段差に気をつけて」「慌てなくていいよ。自分のペースで」などと、時折よろめきながらも大きな自転車を精一杯に漕ぐ息子に声がけしながら、父に自転車を教わった日を思い出したり。気がついたら、自転車だけでなく、大人と変わらないサイズの服を着始めていたり、随分と大きくなった息子の背中を見つめながら、懐かしくなったり、寂しくなったり。目まぐるしく変わる自分の感情に"生きる"ことを実感したり。

 

仕事では自分の思考と対面し続けているので、ややもすれば自分が実体を伴った動物であることを忘れがちになってしまう。体や感情を動かすことは、人間らしくてよいなと思う。