働く母のすすめ

You are stronger than you think.

前に進む。

夫が、自主的に(一部)在宅勤務を始めた。これは我が家にとっては色々な意味で大きな変化だと思う。

 

チラホラと書いているけれど、夫はメンタル面に脆弱性があり、しばしば仕事に支障をきたしてきた。ざっくり言ってしまえば、toxicな親の元で育ったことと恐らく関係しているのだけれど、他人に認められることと自分の存在価値が強くリンクしており、他人に認められるために負荷をかけ過ぎてしまうタイプで、運よく頑張りを認めてくれるタイプの上司に当たれば上手くまわるけれど、そうでない場合はさらに負荷をかける→けれども認められない→もっと負荷をかける…という負のスパイラルに入ってfreezeしてしまう。またfreeze中のアウトプットが低下していることは自分でも把握しているため、少し調子がよくなると挽回しようと過剰に働こうとする。「仕事せな…!」の一心から夜中も働こうとして、生活リズムを崩す。…などなど、記載はこれくらいに留めておくけれど、本人はもちろん、家族も笑っちゃうくらいに消耗する日々を送ってきた。

 

夫が変わり始めたのは、数年前に休職した頃からじゃないかと思う。

息子が保育園の乳児クラスにいた頃は、夫は0時前に帰宅する日はなく、しばしば朝方帰宅することもあった。帰宅すると気が緩むからと、深夜残業になるギリギリまで会社にいた後、深夜営業している喫茶店などで仕事をしていた。夫は息子から「(平日は)朝だけ家にいる人」と思われていたし、土日は疲弊して泥のように眠っていた。夫は、日々のお風呂掃除や洗濯など、担当していた家事は続けようと努力はしていたけれど、その頃の私は、お迎えから寝かしつけまで、毎日ほぼワンオペ育児をしていた。(こうしたワンオペ生活を回すために、前回の"作り置き"生活が生まれた)当然過ぎるくらいに当然なのだけれど「今回はちゃんと乗り越えたい」と言い、私の制止を無視してそんな生活を続けていた夫は、ある日、再びfreezeしてしまった。私はこれまでにないほど強く、夫に休職をすすめた。何日か渋っていたけれど、それから程なく夫は休職することになった。

休職して時間がたくさんあるからと言って、家事育児が出来るわけではない。疲労感や焦燥感でそれどころではなかったようだ。息子の保育園の送迎と続けられるようになってきたお風呂掃除と洗濯だけは、頑張ってもらうことにしていたけど、それも難しい日もたくさんあった(しつこいけれど、ここでも"作り置き"生活が強化されることになる)。

 

メンタルのアンバランスが長く続いていた我が家では、利害関係のある配偶者(私)の言葉は、夫に上手く届かなくなっていた。そのかわりに、夫の医学的要求には出来る限り応えた。信頼できるカウンセリングのある精神科、発達障害外来、MRI、内分泌系検査などなど。けれど数値として検出し得る異常は見つからなかった。浮上のきっかけのひとつは、toxic parentsの本がきっかけだった。夫は自分が上手く動けない状態に対して「自分が悪い」以外の理由が欲しかったのだと思う。自分の親とよく似た親や、その結果、自分のように思い悩む人が世の中にたくさんいて、それは専門家が本にするほどに確固たる事実なのだということは、夫には効果的だった。(注:専門家が本にしていても信頼性の低い事象はたくさんある。)

その後、上下動を繰り返しながらも、少しずつ上向きになり、夫は復職することになった。ホワイト企業ゆえに、復職からの過程も慎重かつ緩やかで、夫は会社からも働き過ぎることを禁じられ、復職から何年か経ち、ようやく会社からの就業制限を解除された。ゆっくり会社に戻る間に、いくつかの家事を身につけ、夜、帰宅が遅くなると息子から「今日、父ちゃん、帰ってくるの遅いね?」と認識されるようになり、学童などを介して地域との繋がりを持つという生活を送ってきた夫が、就業制限が解除された際にまず行ったのは在宅勤務の申請だった。今度は、休んだ分を取り戻すためにがむしゃらに働くのではなく、周りの評価に振り回され過ぎることなく、自分に合った働き方を模索し始めるのだそうだ。

 

夫は結局、私の産前産後休業の2倍以上の期間休職し、その後も負荷がかからないように、長い間就業制限がついていた。このことは、決して夫にとってマイナスにはならないと思う。事実、最近は仕事でも少しずつ新しいプロジェクトを立ち上げたり、再び色々な機会を与えてもらえているようだし、プライベートでも笑顔とやりたいことが増えたようだ。私自身、出産で長期間仕事を休むまでは、仕事を休むことに対する不安がものすごくあったけれど、一定期間、すぱりと仕事を休んでことで、新しく見えたこともあったし、時間を今までよりも大切に思うようになった。仕事に対して、がむしゃらに走り過ぎることなく、出来ないものを出来ないと言えるようになった。私が夫に強く休職をすすめられたのも、こうした自らの経験があったからだと思う。(1度目に夫がfreezeした時は「仕事休む」ことをpositiveに捉えられず、転職をすすめた。転職せずに休職していたら、夫が悩む時間を減らせたのではないか?と思うこともあるけれど、転職後、夫が以前勤務していた会社が世間を騒がせ、当時の同僚たちは大変なことになったので、結果オーライということにしている)

 

多分、これからもっとよくなっていける。

 

今回のことを私はハッピーエンド!とは思っていない。人間の性質はそんなに簡単なものではなく、決してnegative な意味でないけれど、これまでもそうであったように、またいつか夫がfreezeすることも起こり得ると思っている。メンタルの脆弱性とは、そういうものだと思っている。けれど、この状況を前向きに受け止めて、こうした変化を続けながら、これからも、夫とともに共同体を運営していこうと思う。