働く母のすすめ

You are stronger than you think.

息子の感覚について

息子は少し感覚が敏感なところがある。日常生活に困るレベルではなさそうなので、今のところ特に対応はしていない。今回は、現時点での息子の敏感さを記録しておく。

ちなみに私は、日常生活に支障はないけれど音が少し苦手だ。例えば、イヤホンやヘッドホンで音を聞くのは余程体調がよい時でない限り避けているし(うっかり聞き過ぎると疲れてしまう)、部屋などの区切られた空間で複数の音源から音が出ている(TVとラジオが同時についているなど)のも苦手だ。あと、仕事や勉強をしながら音楽などを聴くことも上手くできない。

 

息子の話に戻る。息子が敏感なのは、味覚と嗅覚と触覚だ。

味覚については、(しばしば呟いているけれど)お茶が飲めない。日常的に飲むのは自宅の水道水で、本人曰く、自宅の水道水が1番おいしいらしい。市販の水にも好きなものとそうでないものがあるので、水なら何でもよいわけではないらしい。それから、私には全くわからないのだけれど、雨が降ったりすると水道水の味が変わる時があるらしい。大雨の翌日に息子が水がまずくてどうしても飲めないと言った日があったのだけれど、その日は、近隣地域でも同様の訴えが多数出たということでニュースになっていたので、息子の気のせいでもないようだ(その日もやっぱり私には味の違いが分からなかった。夫は少しいつもと違うかも?と言っていたけれど)。それから、食感にも敏感なので、お肉類は塊の物はほとんど食べない。ミンチやその塊であるハンバーグは食べられるけれど、ミンチ以上のサイズのものは、例えば薄切り肉でも好んで食べることはない。口の中でボソボソする感じや噛んでいる時にグニュグニュする感じが苦手なようだ。魚は煮たり焼いたりしてあれば、大体の物は食べられるけれど、グニュグニュするからか、お刺身は一切食べない。味や食感に対する警戒心も強いので、基本的に新規の物はほとんど口にしないのだけれど、真面目な性格なので学校の給食では、本当に無理なもの以外は頑張って食べているらしい。学童のおやつなどで無理なものが出た場合は、おともだちにあげたり「母ちゃんにプレゼントだよ!」と言って持って帰ってきたりする。息子が心を許している度合い(自宅>学童>学校)によって、対応を変えているようだ。
私は、基本的に息子に対して、苦手なものを無理に食べさせることはしない。その代わりに、味付けや調理法を変えて、息子が食べられるレシピを探すようにしている。例えば、お肉を小さめに切って、豚汁や親子丼などの息子が好きな出汁味のメニューとして出ぜば、(たくさんは無理だけれど)少しならば食べることもある。それから、新規のメニューは、少なくとも1口は口をつけるということもルール化している。実際に食べてみると意外と好みの味な場合もあるし、長期間かけて慣らしていくことで解決できる部分もあると思っているので、多様な味覚刺激を少しずつ取り入れていく方針だ。
夫は自分が小さい頃に、親から受けた「好き嫌いせずに食べなさい」という躾の影響もあり、私の対応を「甘やかし」だと捉えているようだ。この件で、私が躾と呼べるようなことをしているとすれば、それは「料理を作った人、準備してくれた人に失礼な態度は取らない」ということがある。特に外食などでは、息子が食べられそうなメニューを優先して複数選び、万が一、息子が食べられなかったとしても親が完食出来る量を注文することにしている。食べられないことは仕方がないことだけれど、それは食べ物を無駄にしてよいということではないことを伝えている。それから、子どもにありがちだけれど、家以外の場所で「これマズイ」と口や表情に出したりすることはNGとしている。本当にマズイならば致し方ない部分もあるけれど、息子の場合、息子の味覚に合わないだけであることが大多数なので、食べられない時は小声で「これ、息子ちゃんの苦手な味」と伝えてもらうことにしている。

 

嗅覚は、味覚ほどではないけれど、少し敏感だ。一番困っているのは、家の車の匂いがNGであることだ。車はなんでもNGなわけではなくて、車検などで代車を借りた時には「この車は大丈夫」と言ったりする。けれども電車で行けるなら電車で行きたいらしく、電車の匂いは結構好きなのだそうだ(全く分からない。匂い鉄?)。夫の車に、消臭剤を置いてみたら、今度は消臭剤の匂いがダメだと言われた。無香料タイプと書かれていたのに、少し匂いがついていたのだ。私もそうなのだけれど香料は苦手なので、ボディソープや洗濯用洗剤などは、基本的に香りの少ないものを買っている。余談だけど、洗剤系に色々香りをつける風潮は私としても避けていただきたいと思っている(つわりの時、香料に対する感度が上がって、家に入ると吐き気が強くなり大変だった)。それから、夏休みに、私の実家に泊まりに行ったら、実家で洗濯した息子のズボンに実家の匂いがついたようで、家で何回洗い直しても「匂いが落ちていないから履けない」と言われた。「履いているうちに慣れるかもよ?」と言って履かせてみたら、落ち着きなく家の中をうろうろとしたり、辛そうな顔でジャンプしたりし始めたので、履かせるのを諦めた。同じ理由で、人からもらったお下がりも着られない。

 

触覚もそこそこ敏感だ。とりあえず、タグは苦手なので、切り落とすことが多い。なので、サイズが分からない服がたくさんある。ズボラな私が「着てるうちに慣れるかもよ?」とかいうので、最近では、自分でせっせと切り落としている。洋服の素材やウエストなどの締め付け感などにも敏感なので、買った服に対して「これは、ザラザラして気持ち悪いから着たくない」などという時もある。逆に「触感が気持ちいい」と好んで着る服もある。ピアノの発表会などでスーツを着たりすると、自分の発表が終わった途端にネクタイやボタンを外すし、必ず着替えを持参してすぐに普段着に着替えてしまう。しばしば「男の子は服の好みがうるさくないので何でも着る」という話を見聞きするけれど、息子の場合、全く当てはまらない。息子の好みを優先して購入すれば「これは着たくない」とは言われにくいのだけれど、洋服に(私よりは)拘りのある夫がデザインや流行を優先して買った服は、袖を通してもらえなかったこともある。

 

そもそも子どものうちは、大人に比べて感覚が敏感だと思う。例えば、大人になってから脇腹などをくすぐられても、それほどくすぐったいと感じなくなったけれど、子どもの頃は、本当にくすぐったくて我慢ができなかった。公共の場での他人の会話は、聴覚では音として受け取っていても、意味をなす言語としてではなく雑音として処理をして、注意を向けずに過ごすことができるし、TVのCMは、視覚情報として、ほとんど記憶に残すことなく眺めることができる。子どものうちは、どの情報を切り捨ててもよいか、どの情報に注意すべきかという、情報に対する重み付けを持たないので、全ての感覚に反応しているのだと思う。息子の敏感さも、年とともに薄れていくものも多いのではないかと思っているので、こうして記録をとっていくことで、その変化を観察して行きたいと思っている。