働く母のすすめ

You are stronger than you think.

赤ちゃん→子どもの睡眠を観察するとおもしろいという話。

育児の悩みで「赤ちゃんが寝ない」というのをよく見聞きする。この短い文章の中には、本当に色んな意味や状況が含まれているのだけれど、私はそれらが曖昧なままになっているから悩みになるのではないかと推測している。

「赤ちゃんが寝ない」という文章は、ものすごく曖昧な表現だと感じるので、私自身はあまり使うことはない。誰かに赤ちゃんが寝ないという状況を伝えたいのだとしたら「通常だと、日中はおよそ⚪︎時間おきに△時間、夜間はおよそ×時間おきに□時間寝ていますが、ここ2-3日、睡眠時間が短いようです。日中はいつも通りなのですが、夜間は、入眠時から30分おきに泣いて起きるということが、3-4時間程度続いています。」というような具体的な数値を交えて話す。
こうした数値をもとに、赤ちゃんの睡眠時間が本当に短いという状況が続いているのだとしたら、それはなんらかの疾患を疑った方がよいこともあると思うのだけど、そうでない場合「赤ちゃんが寝ない」というのは「保護者(主にお母さん)の中にある理想通りの場所や時間やタイミングで、赤ちゃんが寝ない」を省略した表現なのだと思う。つまりそれは赤ちゃんの睡眠時間の問題ではなく、そう感じている保護者(大抵はお母さん)の肉体的and/or精神的疲労度の問題なのではないかと思う。

なので、個人的には、赤ちゃんの毎日の様子を細かく記録することが、そうした悩みの助けになるのではないかと思っている。汚すぎる字で恥ずかし過ぎるのを堪えて、私がつけていた育児日記の一部を晒す。これは、某ミルク会社が作って(配って?)いる育児日記で、姉が使っていたのを見て「これは!」と思ったので自分も使っていた。

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1日あたり5列分の記入スペースがあって、一番左から順に「時間・尿・便・睡眠・その他」というように割り当てられている。使い方は書いてあるかもしれないけれど、自分の好きなように使えばよくて、私の場合は、以下の3項目を主に記録していた。(ちなみに写真は、生後3週間頃の息子の生活リズム)
*この記録を1歳の誕生日まで毎日欠かさず書き続けました。もはや実験ノートのようですが「便ありかくにん!よかった」とか書いたりはしてません。

(1) 尿・便の有無。異常があった場合はそれらの状態。←オムツ替え時にチェック
(2) おおよその睡眠時間。いつもと違う場合はどう違うかをメモ。
(3) 母乳を飲んだ時間。「ボ右4左3」は、右乳から4分間、左乳間から3分飲んだの意。
*同じ分数を飲んでいても、赤ちゃんが母乳を吸う力によって飲んだ量が異なるので、他の赤ちゃんとの比較や、異なる月齢間での比較はできないけれど「最近の様子」がいつも通りか否かを判断するには十分。

こういう記録を取るメリットは、ひとことで言うならば「自分の赤ちゃんを客観視できる」ということ。

他人の赤ちゃんとの比較ではなく、自分の赤ちゃんは、通常、どういうパターンで、睡眠・排泄・食事(母乳and/orミルク)を取る子なのかを把握することで、「赤ちゃんが寝ない」原因は、便が出てないのか、食事量が少ないのか。またいつもと比べてどの程度寝ていないのか。等を数値として比較することができる。成長に伴って、排泄の回数が減っていくことも、睡眠のパターンが変化していくことも、明確にわかる。
そして、このように数値で客観的に評価した結果。自分が今、助けを求めるべき相手は、小児科医等の専門家なのか、パートナーや育児サポーターなのかをを見極めることができる。

このように。客観的な数値は、自分が自分の赤ちゃんの性質を理解するためにも重要だけれど、第三者との間で自分の赤ちゃんの情報を共有する際にも有用なデータとなる。短い診察時間で、小児科医に多くの情報を整理して提供することが可能となるので、適切な医師の判断(=医療)を受けるための手助けとなるし、誰かのサポートが必要な場合にも、具体的にどういうサポートが必要なのか(例:パートナーと時間調整をして、3-4時間ほどぐっすり眠る時間を確保させてもらう等)を相談する際の参考資料にもなる。

仕事だけでなく、客観的指標や見える化は、育児でも大切なのだと思う。


最後にすごく個人的な趣味について。
睡眠のリズムは脳深部にある視交叉上核という部位によって制御されている。睡眠だけでなく、ホルモンの分泌や体温など日内変動(ヒトの場合約25時間周期)をするものは、大抵この視交叉上核によって統制されていて、こうした生理現象は概日リズムと呼ばれている。ヒトの概日リズムは1日の長さ(24時間)と異なっているけれど、光を浴びることで、外界の明暗周期と同調することができる。そして新生児では、この概日リズムが形成されていないけれど、生後数ヶ月(諸説あり)頃で形成されると考えられている。
そのため、私は、母子同室となった産後2日目から、可能な限り、朝7-9時くらいにはカーテンを開けるor電気をつけるなどで部屋を明るくし、夜19-21時くらいには電気を消し、息子に与える光の周期を整えるという実験をしていた。
*目を瞑っていても、周囲が明るいか暗いかがわかるように、目を閉じていても光による刺激自体は感知できるので、寝ている間(「明るい」と認識しないだけで、光による刺激はある)でも、明暗周期は上記の通り。

その結果。息子は、夜泣きはするし、抱っこでしか寝ないし、それなりに手はかかったけれど、深夜や明け方の暗い時間に覚醒して遊び始めて困るというような明暗が逆転してしまうことはなかったように思う。が、現在n=1で何の信憑性もない感想レベルの話なので、今から出産をする方がいたら、同様の方法でデータを取ってご連絡いただけると喜びます。

また、息子は、毎年秋分が過ぎてしばらく(10-11月)頃から春分に向けて、朝起きる時間が少しずつ遅くなり、夏至前後からまた、朝起きる時間が早くなっていくというパターンを周期的に繰り返しています。(朝起きる時間が早くなるのは、春分が過ぎてしばらくして。ではなく、少し遅くて夏至前後になります)ストレスや疲労、夜中に片付けといけない仕事や家事の量など、子供に比べて睡眠に影響を及ぼすファクターの多い大人で、こうした周期的パターンを観察するのは難しいのですが、子どもならば、比較的観察しやすいのではないかと思っています。これもn=1で、個人の感想の域を出ないので、同様のパターン(異なるパターンでも!)を観察されている方がいたら、教えていただけると喜びます。