働く母のすすめ

You are stronger than you think.

子どもを産むタイミングという幻想

先日、仕事で勉強会的な場所に行った時のこと。

 
交流も兼ねた勉強会ということで、他の参加者さんたちとも色々お話をしてきたのだけど。ご飯を食べつつ、ざっくばらんにプライベートの話などもしていたら、その中の1人の女子に「出産って、就職後何年くらい経ったらできるんですか?」というような質問された。聞くと彼女は、まだ学生さんで将来はこの道に進もうと思っているらしい。
 
確かに。その勉強会には、ざっくりだけど100人程度の参加者がいて。そもそもの女性比率も低いけれど、恐らく子持ちの既婚者女性は、私を含め1-2人だったんじゃないかと思われた。現在の私の所属部署もそんな感じで、業界全体として子持ち女子は少数派。なので、ロールモデルがほしいという気持ちはよくわかる。かつての私がそうであったように。

でも。私だけでなく、多くの働き続けている女性がそう思っているんじゃないかと思うけれど、仕事のタイミングを考えた場合「産んでいい時なんてない」というのが彼女の質問に対する答えなんじゃないかと思う。それは多分、彼女の欲するものではなかったと思うのだけれど。

実際、我が家は「いつか仕事が落ち着いたら」と産み時を模索していたのだけれど、結局そんな日が来ることはなく、数年の月日が過ぎ。最終的には「妊娠したので○月から産休に入りますよー!」と一方的に予告して、ドタバタドターっと仕事を収束させたり引き継ぎしたりして、産休に入った。
周りからしてみれば、ものすごく迷惑な話だとは思うけれど。働き続ける女性は、ものすごくよい意味で図々しくいられなければ、出産も出来ないし、子育てもできないと思っている。

「そんなことは最初から想定できることなのだから、準備をしておくべき」とか「自分が仕事をやりたいのだから頑張るべき」とかいうのは理想論で。私は女性だけど、どれだけ言葉で説明されても、つわりのしんどさや、妊娠中の身の重さ、毎日定時で帰ることや子どもが病気の時に休む後ろめたさなんて、経験するまでちっともわからなかったし、育児が絡むと物事はこれでもか!というほど思う通りに進まない。
ルールを決める人や人事考課をする人は、体育会系根性論で乗り切って「成功」してきた人が多いのだと思うけれど。「私たちの時代はこうして頑張ってきたんだから。」という武勇伝は、実際のところ励みになるどころか負担になったりもするわけで。ポンコツ母ちゃんとしては、スーパーウーマンだけが生き残れる社会でなく、自発的に頑張ろうと思える制度や環境を整えて、もっと普通の女性も頑張れるような社会になればよいなと思っていたり。それはとりもなおさず。男性も働きやすい社会になるんじゃないかと思ったりする理想論。

そしてそうは思えど。働く母ちゃんは、またもや「2人目を産むタイミング」という幻想に捕われたままアラフォーになっていたりするという現実。