働く母のすすめ

You are stronger than you think.

久しぶりに夫のよいところなどを書き連ねてみたりしようと思う。

3歳10ヶ月になる息子の長所は、たくさんある。例えば明るく元気なところ。

けれどもまだ TPOとかいう概念があるわけでもないので、静かにすべき場所でも元気いっぱいだったりすることもある。そうするとそれは「うるさい」と表現されうる行動ということになり、短所と捉えることもできなくもない。

けれどもけれども。そもそも、長所と短所は表裏一体だったりもして。要するに捉え方次第でどうとでもなるわけだったりもする。


今日は、とても珍しく、夫の長所について書いてみようと思う。

夫の最大の長所は、人柄の柔らかさだと思う。

今でこそ、気と我の強い嫁として君臨している私だけど、夫と出会う前の私はと言えば、たくさんのコンプレックスを抱えている上に、元来のねじ曲がった性格が加わって、思ったことは主張できないけど察してほしい典型的な扱いづらい女子でした。

当時の私の主なコンプレックスは、身長と学力でした。(過去形)

私が多感な頃は、ちょうど世間がバブリーな時期で、女性が求める結婚相手の条件として三高(「高学歴」「高収入」「高身長」)という言葉が流行った時代でした。そういう要素が男性に対して求められていた時代に、「女だてら」に身長が高く、学校の成績もよいということをpositiveに受け止められるほどの思想を持ち合わせていなかったし、そもそも性格の問題も加わって、自分は男性に好かれるはずもない。と思っていました。

夫は、数センチだけど私よりも身長が低く、最終学歴だけで比較すると私より学歴が低いということになるけれど、彼は出会った頃から、そのことについて本当に全くnegativeに捉えることがなく、むしろ「俺、三高のうち、2つも負けてるやん!」とそれを明るくネタにしています。今となっては、私自身も、どうでもいいことで悩んでいたなあ。と思っていますが、それもこれも夫の柔らかい性格に全肯定してもらったおかげだったりします。


余談だけど。女性の方が身長が高いということについては、本人たちよりも周りの方がむしろ気にするようで。(そもそも本人たちは、2人で並んでいるところを見る機会が少ない)結婚式の記念撮影の時には、夫はシークレットブーツを履いていたのだけど。私はドレスで見えないことをいいことにヒールを脱ぎ、膝を曲げ、さらには小首をかしげて、夫よりも背が低く見えるようなポーズを指示されました。その結果、何度見ても私たちにとっては「不自然」な写真になっているのですが、それもまあ今となってはよい思い出です。

他にも。夫はその柔らかい性格を発揮して、私の父(=私の歪んだ性格の祖)ともうまく付き合っています。年を取って丸くなったとはいえ、今でも十二分に扱いづらい父のメンドクサイ話にも「へえ。そうなんですか。」とか相づちをうったり、適宜質問を挟んだりしてうまく会話をしてくれている。私が父を評して「メンドクサイやろ。」と言っても「なんで?お父さんの話、勉強になるやん?」とか言って一度も悪く言ったことがない。もう結婚して10年も経つのだけれど。

こんなエピソードがある。
数年前。父が事故に遭って、頭部外傷を負ったのだけれど。父は事故のショックもあり一時的に強い精神症状を呈するようになった。

例えばこんな感じ。ある朝、ナースステーションに行くと車椅子に座った父がいて「俺は無実の罪で警察に捕まっている。お母さんも別室で拷問を受けているから、俺は今、猛烈に抗議していたんだ。」と私に訴えてきたり。別の日には「ここはタイだけど、お前はどうやってここまで来たんだ?」と言い、廊下ですれ違う別の入院患者さん(明らかに日本人)に向かって「おい、シンさん!シンさんじゃないか!」と話しかけ、ナースステーションの看護師さんには執拗に「帰国するのでパスポートを返せ」と詰め寄ったり。

とにかく幻覚妄想が激しくて、最早まともに看病出来るのは、昔から猛獣(=父)使いと親戚からも言われていた私しかいなくて、実際に食事や服薬など身の回りの世話は私以外の人からは受け付けないようになっていて、母も親戚も遠くから困り顔で見守るしかなかったし、主治医も師長さんにも「娘さんが看るのがベスト」と言われ、夜は徘徊する父と一緒に真っ暗な病院を毎晩毎晩散歩したし、夕方の荒れる時間帯にはその妄想にとことんまで付き合った。

次第に、家族(というか私)の心労は限界が近づき、病院側も治療、転院を含めた今後の方針に迷いが生じていて、そうした諸々の結果、父の症状もますます悪化するという悪循環が起きていた頃。夫が休日にお見舞いに来てくれた。

父は夫の名前はわかるものの、なぜか私の夫であることはすっぽりと抜けていたのだけれど、夫はそのことにもやはり全く拘らない様子で、ニコニコと父の話を聞いていた。その時の父の話は、やはり全く支離滅裂で、確か金沢かどこかにとてもきれいな川があって、そこでカニコウラという名前の芸術品を作るという内容だった。それでも夫はいつもと変わらず「へえ。そうなんですか。」と適宜質問を挟んでは相づちをうっていた。

その様子を監視用モニタで見ていた師長さんが、私に笑顔で言った。

「お父さん、久しぶりにいい顔してるわね。」


週末から昨日くらいにかけて。仕事と家庭のバランスについて、私の負担が大きすぎることを配慮してくれない夫に、久しぶりにキレ、我が家はすこぶる険悪な空気になった。私は、頭の中で夫の短所についてアレコレ考えて、さらにイライラしていた。

けれど、長所と短所はやっぱり表裏一体なのだ。
柔らかい夫は、無頓着すぎる夫でもあり、優柔不断な夫だったりもするけれど、それは私の捉え方次第だったりもするわけで。

夫への感謝を忘れないように。反省の意味を込めて、夫の長所をブログにしたためておこうと思ったわけであります。

いや決して。
夫がボーナスを持って帰って来たから、持ち上げておこうと思ったわけではない。ええ。決して。